20111127

トゥールーズ=ロートレック展/三菱一号館美術館<下>

さて、ロートレック展の余韻につかりつつ、大好きな作品を紹介していきます。

どうぞご覧あれ〜。


エグランティーヌ嬢一座
これは踊り子4人のロンドン公演のために
制作されたポスター。
でもその公演の後、仲間割れしてすぐに
解散してしまったんだって!(笑)




マルセル・ランデール嬢、胸像

彼女は女優。絶妙な色の組み合わせと
繊細な版画技法の融合が見事に現れていて、
彼の版画技術の最高峰の一つとも。


54号室の女船客

この女性は彼が旅行中に
船内で出会った美しい女性。
自分の降りる港を見過ごした程に
一目惚れしたんだけれど、
彼女の目的地までついていく事を
友人が猛反対して泣く泣く
途中下船したそうな(笑)

メイ・ミルトン


彼女はイギリスの踊り子。
これはアメリカ巡業の際に依頼されたポスター。
この背景の青には隠された意味があるの。
彼女の恋人であると噂された歌手の赤いドレスと
対になることを意識して制作されたんだって。

「ラ・ルジュ・ブランシュ」誌

こちらはベルギー発の前衛的な美術誌の表紙。
優美な服装で彼女が立っているのは実はスケートリンクの上。
この素敵な表紙は最盛期の同誌の象徴なのだとか。


コンフェッティ

ひときわ陽気で華やかな雰囲気に満ちた作品。
タイトルは、婚礼やカーニバルで使用される紙吹雪の意。
製紙会社のためのポスターで、以前の石膏片の吹雪よりも
人に向けて投げられる紙吹雪の利点を明るく伝えている。


シンプソンのチェーン

自転車とチェーンを製造するイギリスの「シンプソン」社の
パリ支店用のこのポスター。
背景中央の背広姿に恰幅のいい男が工場主のシンプソン。
その隣がパリ支店の店長ルイ。
ロートレックは友人のコネで競輪場に出入りしてたが、
彼が夢中になったのは誰が勝つかではなく、人間の動きについてだったの。

アンバサドゥールにて、カフェ・コンセールの女歌手

この絵の舞台はシャンゼリゼ界隈に合ったカフェ。
もう一色、試し刷りのものがあって、色合いの出し方での
挑戦的な制作過程を観ることができる。

ジャヌ・アヴリル(ジャンダル・ド・パリ)

踊子の彼女が一躍有名になるきっかけとなったポスター。
ムーランルージュの別館としてできたジャルダン・ド・パリ
への出演の際のもの。枠のようになっているのは、
舞台下のコントラバス奏者♪このように、
モチーフを大きくクローズアップして前景に置く手法は
日本の浮世絵などから取りいれたものなんだって!
確かに、前景があるにも関わらず踊り子をひときわ
目立たせているね。

さて、これら(上で挙げたのも含め)がわたしの厳選作品10点。

もちろんポストカードもファイルもお買い上げ♪
それからカタログを買ったのは人生で2回目!
子供の時に見て夢中になったレメディオス・バロのものと並べて、わたしの宝物決定だよ!


よし、そろそろ解説じゃなくて感想を書くね。


まず、美術館に入って、彼の作品を見て、歩きながら作品のだす空気感を感じて、
わたしは心底思ったの、わたしは彼から得るものが多すぎる。って。

どれもとてもいい香りがしたし、ストーリー性があって、次の瞬間にしっかりわたしの中で生きている。

ポスターでも絵画でもなく、彼が描き続けた女性達の人生が、しっかり描きあげられているの。

なんて中身の濃い、ただの作品なんだろう、そう思ったね。

勿論実際に匂いや音が漂っているわけではない。

だけど、しっかりと感じる。

全部が、大好き。

1つ1つの作品にストーリーが浮かぶ。

目まぐるしい色彩の表情、息が詰まるほどの香水くささ。

本当に、全て観終わった後「ありがとう」って思っちゃった(笑)


いつもなら彼氏につれられて何周もするけど、1度で感じた感動が大きすぎて、
もう、見たくなかったの。

その感動に慣れたくなった。一生ものの輝きを失いたくないでしょ?

そんな感じで、この思いをとっても、とっても大切にしたかったから、引き返さなかったの。

だってわたしはしっかり見たもの。

忘れるわけがない、大切なものを見てしまったの。
そりゃ、アダムとイヴも果実をかじるよ・・・。


動物への愛はわたしにも溢れるほどあるけれど、女性や人間の動きにこんなにも
美しいドラマがあると思ったことは、人生で今までなかった。

本当に大好き。

彼が大好き!!!

わたしは彼の感性を愛してます。

美しい彼女達の肉体、精神さえも、男たちの歓声、揺れるドレスの裾も、

そこに漂う香りも全部、わたしはそこにロートレックの人生を観ました。


こんなに心をつかまれるなんて、ヘンリーダーガーもそうだったな。
ああヘンリーダーガーも語りたいな。

それにこの展覧会に行って、見返したい映画が浮かんで、今はその映画の世界にまた
どっぷりと浸かっております・・・そのことも書きたいし・・・

もっともっと、いろんなものを観てゆきます。

ここまで読んでくれた方、どうもありがとう。
それでは最後は愛するロートレックの言葉で、お別れを。


「けれど人生は、美しい。」

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